2013.6.29 【後編】女性左官工 野宮 未葵さん:㈲原田左官工業所 インタビュー

 柳野 あちらの壁もすごく綺麗ですね。

野宮 そうですね。
            あれは本当にすごい職人さんが手がけたものです。

柳野 あの天井もこて仕上ですか?

野宮 そうですね。あれもガラスビーズを
             塗り付けてあるものですよ。
             ガラスビーズっていうのは、
             本当に小さいガラスの粒を塗り付けて、
              青い色がついているのは、下に色が
             ついているんですよ。
             そうするとこういう表情になるんです。

柳野 すごいアイディアですよね。
             最初入ってきたとき,看板を見て思ったのですが、
             すごく独創性が高いですね。
             「こういうのは女性でないと考えられないのかな?」
             と思いました。

野宮 やっぱり、ベテランの左官さんも
            一緒にいろいろと考えてくださいます。
            それでちょっと私たちが女性の観点から
             アイディアを出して、新しい物を
             作っているような感じですね。

柳野 あちらにもすごく沢山パネルがありますが、
            ああいう花柄のものとか。

野宮 そうですね、あれは私が試験施工したものです。

柳野 すごく斬新なので
            「こういうものもあるのか?」と驚きました。
              かわいらしい女性好みのお部屋にも
              できるということですよね。
           「もっと女性の方が増えて頂ければ良いな!」
             と思いますね。

野宮 いろんな考えを持った人がきてもらえれば、
            いろんな壁ができると思います。

柳野 こちらにも写真がありますが、これは何ですか?

野宮 これは、モルタルでテーブルを作ったものです。
   モルタルは砂とセメントを混ぜたものです。
            これで机の上の部分、土台のところを作ったのです。

柳野 こういう注文もくるんですね。
   こういうのは無理難題だったりするのですか?

野宮 できなくはないですね。でも、大変です。
   角が沢山あると、それを綺麗に仕上げるのは
   だいぶ難しいですね。

柳野 こちらは一人で仕上げたのですか?

野宮 どうだったでしょう?。でも一人しか映ってないですね。
   多分、先輩にも手伝ってもらってやったと思います。

柳野 出来上がりの写真、綺麗ですね。すごいです。
   こんなに綺麗になるんですね。
   ピカピカで、傷ひとつないですね。

野宮 大変でした。

柳野 これはどれくらいかかりましたか?

野宮 丸1日ですね。

柳野 これ、体力すごく使いそうですね。
   こちらは壁を塗っているのですか?

野宮 これもサンプルみたいな感じで、色々パターンを試験して、
   お客様に見てもらいます。
   大きい面で見てもらったりするとまた違うので。

柳野 今までの中で失敗談みたいなものはありますか?

野宮 私は色を作ることが多いんです。
   「漆喰にすこし色を入れて下さい。」とか、
   「この色に合わせて下さい。」という注文が多いのです。
   ある時どうしても作れない色が出てきてしまったんです。
   濃い茶色だったんですけど。基本は白から色を作るのですが、
   白から作るのは到底難しい色だったんです。
   その時、私は経験が浅かったので、違う色を使って出すという事が
   できなかったんです。
   すごく遅くまで掛かって、他の人に手伝ってもらって、
   やっとできました。

柳野 やはり、周りにすごく助けられているんですね。
   良い仲間の方が周りにいるのですね。
   やはり結構助けられることが多いですか?

野宮 やっぱり一人じゃできない仕事なので、
   助け合いながらやりたいですね。

柳野 「一人じゃ続けられてなかったな」
   と思った事も結構あったんですか?

野宮 そうですね、自分が現場の仕事で
   すごく遅くまで時間がかかっちゃう時に、
    手伝いにきてもらったりとか、
   逆に自分が手伝いに行って喜ばれたりとか、
   そういう時は「お互い頑張ろう!」って思いますよね。

 

柳野 いろいろと苦労も乗り越えてきたんだと思うのですが、
   建設業って今若者が減っていて高齢化が進んでいる
   という現実なんですが、
   そのような環境についてどう思いますか?

野宮 私たち左官からすると、年上の方はすごくいっぱい技術を
   持っているのです。でも私がこの6年間過ごしてきた中でも、
   その技術を教えないままおじいちゃんたちは
   辞めていってしまうんです。
   教える人も少ないですし、若者が少ないので。
   私はそれをすごくもったいないなあと思います。
   うちには結構若い人が入ってきているんですけど、
   やっぱりそういう人たちに技術を伝えて
   いけるようにしたいですよね。

柳野 これからは野宮さんが、技術を受け継いでいくんですね。
   そして又次の若い人へ。

野宮 まだまだですね。私はまだ教えてもらっている身なので。

柳野 どれくらいになったら自分から教えられるようになるんですか?

野宮  自分より下の人には教えますけど、
    やっぱりいつまでも勉強が必要な仕事です。
    いつまでも上の人には教えてもらう。
    一方、知らない事は下の人からでも
    教えてもらいたいですよね。

柳野  野宮さんは向上心も強そうですよね。

野宮  負けず嫌いなので!(^^)!

 

柳野  最後に、これから建設マンを目指す方、
    若い建設マンに向けてのメッセージを聞かせてください。

野宮  建設業って力だけじゃなくて、精神的にも大変な現場が多いです。
    だけどそれに負けない若者ってかっこいいじゃないですか!
    私が勤めているこの会社でも、
    
「よくこんな環境の中でこんな仕事をしていたんですね?」
    
っていう先輩をたまに見るんですよね。
    例えば、私が現場早く終わったので手伝いにいった時とかに、
    すごく暑い現場で、人もすごく一杯いて、
    「こんな中で仕事、これやったんですか?」って驚くんです。
    厳しい条件でもそれに負けずにちゃんと自分の仕事をやって、
    ちゃんと周りとも調和をとって、現場を楽しく進めている先輩とかって、
    「すごくかっこいいな!私もそうなりたいな!」って思うんですよね。
    建設業だけじゃないんですけど、現場でそうやって何にも負けず、
    周りと上手く調和をとってやっていく人ってやっぱり
    「かっこいいな!」って思います。メッセージになってい無いですね(笑)

柳野  いえ、すごく解ります。建設業以外のことにもすごく繋がる事だと思います。
    本当にもっともっと若者も入ってきてほしいですよね。

野宮  そうですね。そういう人を目指して入ってきて欲しいです。

野宮  建設マンかっこいいですよ。ぷらぷらってしているようで、
    ちゃちゃっと綺麗に仕事をしているところとか。
    そのかっこつける感じとか?うまく言えないんですけど。

    建設マンの仕事って、年数重ねて行かないとできない仕事ですね。
    だから1年やそこらで諦めてほしくないと思います。
    
私も6年目になって、「それだけやったから楽しいな!」って
    思うことも増えてきたので、そこが見つかるまで
    もう少し頑張ってやってほしいと思います。

 

柳野  楽しいなって思うまでには、どれくらいかかりましたか?

野宮  私は3年くらい経ってから、楽しいなって思いました。
    
3年間は結構きつかったです。「何やってんのかな」って。
    
でもそうやって模索しながらやっていくのが楽しいです。
    「どうやったら上手くできるのかな?」とか
    「どうやったら早くできるのかな?」とか。
    そう言うのを長い目でみて、自分で模索していかないと、
    多分すぐ辞めたくなっちゃうとは思うので、
    
自分に負けないようにすることが大切ですね。

柳野  自分に負けないで続けていくと、
    すごくやりがいを感じる職業になるんじゃないですか?

野宮  とてもやりがいのある職業ですね。

柳野  本日は誠にありがとうございます。
    これからも頑張ってください。

 

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