2015.8.2 ☆玲子のアイショット☆~九州国立博物館~

 

国立博物館は、全国に4箇所にしかありません。東京国立博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、九州国立博物館の4つです。

今回は、最先端の建築でもある九州国立博物館にスポットを当ててみましょう。九州国立博物館は、福岡県太宰府にあります。

 

 

 

100年以上の歴史を有する東京・京都・奈良の3つの国立博物館は、美術系の博物館。一方、九州国立博物館は歴史系博物館として、2005年に開館しました。1897年に設立した京都以来、108年ぶりの国立博物館設立です。4つの博物館の中で、一番若い建物ですね。

 

 

 

日本の国立博物館の中で最大の敷地面積。160m × 80m の長方形で蒲鉾型です。屋根の一番高いところで36mとても迫力のある建物です。

 

そして、1つの建物としては30,085m²と最大の延床面積を持つ博物館となりました。さらに、今までの博物館とは造りも雰囲気も違います。

 

 

 

外壁のカーテンウォールに雲と山並みが綺麗に映っていますね。全く歪みがありません。

 

これは、ガラスの映像調整を行っているからです。ガラスの映像調整とは、以前のアイショットでも触れましたが、ガラスをカーテンウォールの枠の溝幅の中で動かして、一枚一枚のガラスに映る映像が繋がるように調整します。無線で映像調整を見て指示する人、ガラスを動かす人。一体何枚のガラスがあるのでしょうか。気が遠くなりそうです。

 

 

 

外壁のカーテンウォールは、ダブルスキンカーテンウォール。

 

ダブルスキンカーテンウォールとは、窓際の熱環境を快適に保ち、空調機器の負荷を低減するためにビルの外壁を複層化したカーテンウォールの総称。基本的には、建物の外壁の一部または全面をガラスで覆う二重構造とし、下部開口部から複層化した外壁内部に外気を取り入れ、上部開口部から排出することで換気を行います。

 

 

 

鉄骨を建て、カーテンウォールの方立などを組み立てていき、大きなガラスを一枚一枚はめて、シーリング打ちます。さらに点検清掃用の床を設置。床は、空気の流れを妨げないようにグレーチングになっています。

 

 

ダブルスキンなので、作業も約倍の作業になるのですね。これら全てが、建設マンの手によって作られています。一切乱れのない、繊細で丁寧な仕事を感じました。

 

 

 

ガラス壁からは自然光がたっぷり降り注いでいましたよ。しかし、チタン製の巨大な屋根が紫外線をカットしているので、省エネ効果がありながらも空間を明るくしています。

 

 

 

最大の特徴でもある、この大屋根。建物が周囲の山並みに溶け込むような緩やかな曲線を描いています。

 

 

巨大な屋根を支えているのが、この支柱。これだけの柱で、どうやって支えているのでしょうか。とても不思議でした。

 

 

 

エントランスは天井が高く、解放感があります。この天井や壁にはたくさんの木材が使用されていましたよ。

 

 

エントランスホールの天井の丸太は、福岡と宮崎県産の間伐材が使用されています。均一に並ぶ木材。一体何本あるのでしょうか。この木材も、建設マンの手でひとつひとつ丁寧に設置されたのですね。

 

 

収蔵庫は木材の調湿作用を利用しながら、機械設備に頼らない環境管理をしているそう。吸湿性が高く収蔵庫に大量に用いられている杉は小国や玖珠、熊本、八女などから集められました。九州各地から集められた木材は、適材適所で活かされています。

 

 

 

外には、建物を支える大きなボルトが並んでいました。なんだかオブジェにも見えて、かっこいいですね。

 

 

 

これは、屋根を支えるアーチ状の鉄骨が基礎に繋がっています。ピン構造の接合部。ひとつひとつに何トンの力がかかっているのでしょうか。

 

 

 

鉄骨プレートの厚み、ボルトの径の大きさ、補強リブプレート。この迫力には圧倒されました。

 

 

 

基礎は一部しか見えていませんが、大きな基礎が地中に埋まっていることでしょう。ここにも、鳶工やクレーンオペレーター、鉄骨鍛治工、塗装工など、たくさんの建設マンが関わっているんですよね。こうして触れていると、建設マンの想いが伝わってきそうでした。

 

 

 

近代建築の最先端を感じることができた九州国立博物館。太宰府天満宮からは徒歩10分です。皆さんもぜひ、実際に目で見てくださいね。

 

 

 

柳野玲子

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