2015.12.6 ☆玲子のアイショット☆~旧三井銀行小樽支店~

「北のウォール街」と称された戦前の小樽市色内を現在に伝える建物。

アイショットでもいくつかご紹介してきましたね。今回は、小樽市指定歴史的建造物でもある“旧三井移銀行小樽支店”をご紹介します。

 

 

建物は、1927年(昭和2年)に竣工。

三井銀行小樽支店として建てられた後、さくら銀行小樽支店と名前を変えて営業していましたが2002年に閉鎖されたそうです。構造は、関東大震災を教訓に耐震技術を取り入れた鉄骨鉄筋コンクリート造。小樽で最初の鉄骨鉄筋コンクリート造の建物だそうですよ。

 

 

 

重厚な造りのルネサンス様式は目をひきますよね。正面の5連アーチを強調した外観が特徴的です。外壁は花崗岩の石貼り。

 

 

 

そして、極めて緻密な装飾が施された軒。この部分は左官職人の手作業による人造石です。左官職人の魂が込められている人造石。

これぞ職人技、名人芸ですね。

 

 

ひとつひとつの繊細で丁寧なディテール。当時の職人さん達の想いが時代を越えて伝わってきました。

 

 

 

正面の扉は、私が小さく見えてしまうほどの大きさで立派でした。この扉の周りの石にも細やかな彫刻が多く配されていましたよ。どこを見てもため息が出てしまうほどの美しさ。

 

 

設計図から装飾のディテールを図面にする現場監督。CADがない時代、一枚一枚手書きで原寸大の図面を書いていったのでしょう。今ほど加工機械もない時代、硬い花崗岩の加工にどれだけの時間がかかったのでしょうか。

 

 

 

繊細に加工する職人さん。鉄骨鉄筋コンクリートの軀体に加工した石をしっかり組積していく作業もまた、時間を費やしそうですね。

窓の子庇のブラケットも素晴らしい装飾です。

 

 

このような繊細な仕事をする為には、それに適した足場が必要です。安全に適正に作業が出来るように足場を組むのは鳶工の皆さん。陰で支えている鳶工の力は必要不可欠ですね。

 

 

建物の美しさを最大限に活かすライトアップ。

これも電気工の皆さんが、照明器具の選定、設置位置、角度など計算された通りに見えるか?何度も設定を繰り返した事でしょう。このように夜間でも綺麗に建物を見ることができるのは、電気工の皆さんのおかげです。

 

 

建物が完成してまもなく90年。ながい間、小樽の歴史を見てきた建物です。この建物は一見の価値があるので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいですね。現在は『白い恋人』で有名な石屋製菓の所有になっているそうですが、何に再生されるのでしょうか。お菓子の博物館もいいですね。今後どのように本格活用されていくのか楽しみな建物です。

 

柳野玲子

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